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企業の統合・合併などに伴うアメリカビザ手続き
― 会社再編で見落とされがちな「ビザの有効性」チェック ―
アメリカ駐在や出張を計画する企業にとって、統合・合併やホールディングス化といった組織再編は、ビジネスの成長を支える重要なステップです。
しかしその一方で、こうした企業構造の変更は米国ビザの有効性や手続きに直接影響する可能性があります。
本記事では、社名変更・統合・合併といった企業再編時に注意すべきビザ上のポイントや、実務上の対応方法を解説します。
EビザやLビザなどの就労ビザは、「申請時の企業構成」や「資本関係」を前提に発給されています。
そのため、日本本社や現地法人の社名・登記上の構造が変わると、
といった問題が発生します。
特に、合併・統合によって法人格が消滅または新設される場合には注意が必要です。
米国側から見ると、ビザを発行した時点の「会社」と現在の「会社」が異なるため、ビザの根拠が失われるおそれがあります。
ケース1:社名変更のみ
例:アメリカの現地法人A社がB社に社名を変更。
社名変更だけであればEビザ登録は有効です。B社に変更するにはDS-156E Part1,2と財務諸表、州政府から発行される社名変更の書類(Certificate of Amendment of Incorporationなど)を提出します。Eビザは新しい社名でのビザの取り直しが必要とされています。(Eビザも社名変更だけであればビザの取り直しは不要という移民法弁護士もいます。)
Lビザ、Blanket Lビザ、H-1Bビザの保有者はビザの取り直しは必要ありません。ただしビザ面のAnnotationにある会社名と勤務先の会社名が異なるため、入国審査でトラブルとなる可能性もあります。少なくともポケットレター(入国の目的などを書いたレター。上司等の署名を入れる。)や社名変更を示す書類を携行することをお勧めします。
ケース2:日本本社のホールディングス化
例:A社グループの構成変更
このような持株会社制への移行では、A USAの親会社の名前が変わっただけでその関係には変更がないため、滞在許可に関して手続きをする必要はありません。またビザに関しても継続して使用が可能です。
A USAのEビザ登録は親会社の名前が変わったため、親会社の履歴事項全部証明、親子関係が変わってないことの証明、DS-156E Part 1,2の提出が求められます。
ケース3:アメリカ現地法人2社の統合
例:アメリカの現地法人A社をB社に統合し、B社を存続会社、A社を非存続会社とする。
A社に所属する駐在員は雇用先がB社に変わるため、移民局で雇用主の変更の手続き(change of employer)をする必要があります。またアメリカを出国し再入国するためには、新しいB社で就労するためのビザが必要となります。
A社もB社もEビザカンパニーの場合、B社のEビザカンパニーとしての登録は維持されますが、A社がEビザカンパニーではない場合、B社がEビザカンパニーであってもB社のEビザ登録をし直さなければならないとされています。その場合社名は全く同じであってもB社のEビザ保有者は改めてEビザを取り直します。ただしLビザは取り直し不要です。
組織変更が確定した時点で、ビザ担当部署や米国現地法人の人事(HR)担当者との早期連携が重要です。
特に、統合・合併により雇用主や法人構成が変わる場合、該当社員の就労ビザやEビザ会社登録に影響する可能性があります。
また、統合・合併のプレスリリースや登記関連資料(例:合併証明書、商業登記簿謄本など)は、ビザ申請時に会社構成の変更を説明する資料として求められることがあります。
これらの書類を早めに準備・整理しておくことで、手続きが円滑に進みます。
組織変更後に必要な確認や更新手続きを行わなかった場合、さまざまな影響が生じる可能性があります。
例えば、
組織再編後のビザ対応は、「後から対応する」のではなく、変更内容が確定した段階で確認を行うことが重要です。
企業再編のスケジュールと並行して、ビザへの影響を事前に確認しておくことで、予期せぬトラブルを防ぎやすくなります。
※企業再編に伴うビザ手続きは、再編方法、資本関係、雇用関係、保有しているビザの種類などによって対応が異なります。本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別案件については移民法弁護士や専門家への確認を推奨します。
ビザ制度は頻繁に運用が変わるため、企業の構造変更時には専門的な確認が欠かせません。
グリーンフィールド・オーバーシーズ・アシスタンスでは、各社の状況に応じた最適な対応をご提案しています。
企業再編に伴うビザの手続きでお困りの際は、ぜひご相談ください。