Eビザ
Eビザのメリット
- コスト面でEビザは大きなメリットがあります。Lビザ、H-1Bビザの場合、アメリカの移民法弁護士が移民局に対してペティション申請を行い、ペティションが許可された後、ビザの申請となります。移民法弁護士にもよりますが、ペティション申請には数千ドルかかります。一方Eビザは大使館への申請だけで完結し、ペティション申請のためのコストがかかりません。
- ペティション申請が必要ありませんので、ビザ取得までの時間も短縮することが可能です(新規申請を除く)。ペティション申請は1,000ドル支払い、Premium Processing Serviceを使えば遅くとも15日以内に、OK・NG・追加書類の要求の3種類の回答をもらうこともできます。しかしながら、ペティション申請に必要な情報収集の期間を含めれば、やはり1ヶ月程度は必要となります。Eビザの場合(新規申請を除く)は1週間程度で申請書類をそろえることも可能です。さらにH-1Bビザには発給枠があるため、すぐに申請できても翌年の10月1日以降からしか働けない、ということもあります。2006年はその年の10月から働ける枠が夏前に埋まりました。
- ビザの有効期間についてもEビザの方がメリットが大きいといえます。1回目の申請で得られるEビザ(TDYは除く)の有効期間は5年であるのに対して、Lビザ、H-1Bビザとも3年です(現地法人が設立後1年未満の場合、Lビザは1年)。また、Eビザは何度でも更新できるのに対して、L-1Aは3年-2年-2年の最長7年、L-1Bは3年-2年の5年、H-1Bは3年-3年の6年までしか延長できません。その期間が満了し、さらにLビザ、H-1Bビザを取得する場合、1年以上アメリカ以外に滞在しなければ再申請することができません。
- Eビザは雇用直後に申請することが可能であるのに対し、Lビザは、直近3年間に1年以上日本の親会社、子会社などに勤務することが求められます。アメリカ現法で必要とする人材を中途採用し、すぐにアメリカに派遣するといったケースでは、Lビザを使うことはできません。
Eビザのデメリット
- 申請には、まず日本の親会社の資本の50%以上が日本企業・日本人の出資であること、現法の資本の50%以上が自社を含めた日本企業・日本人の出資であり、現法トップが親会社からの派遣であるなど、実質的な支配権を有していることの他に、相当額の日米間の貿易(物、金、人、情報など)、または投資が必要となります。また、申請者に関しても、日本企業からの申請の場合は日本人であること、マネージャー職でない場合は、十分なEssential Skillがあることが求められます。これらの条件は一般的にはLビザよりも審査基準が厳しいといえます。
- Eビザは、大使館、あるいは総領事館への登録が必要です。現地法人が初めてEビザの申請を行う場合(新規申請)は、会社設立証明書や定款、資本金の送付記録など、設立時の書類の提出が必要となります。また、その審査に約4〜6週間かかるため、新規申請に関していえば、申請から取得までの時間的メリット大きくありません。ただし、一度現地法人がEビザカンパニーとして登録されれば、2人目以降はこの登録作業は必要なく、ビザ取得までの期間を大幅に短縮することができます。また、東京大使館または大阪総領事館のいずれかに登録されていれば、どちらででも申請が可能です。
- Eビザカンパニーは年に1度、アメリカ大使館、または総領事館にアニュアルレポート(DS-156EPart1,2)の提出が求められます。ただし作業としては、財務諸表、スタッフの人数とビザ情報、そしてE-1カンパニーの場合は貿易実績があれば作成できますので、それほど難しくはありません。
- ビザの有効期間は5年間であっても、入国時にもらえる滞在許可はEビザは2年間であるため、2年以上継続してアメリカに滞在する場合は、移民局に対し滞在許可の延長申請が必要となります。それ以外の方法としては、アメリカ外(カナダ、メキシコ、カリブ海諸国は除く)に出国し、再入国をすることにより、通常新たに2年間の滞在許可が与えられます。駐在員の場合は家族を含め、2年あれば一度は一時帰国をしているケースがほとんどですので、2年間に限定された滞在許可はあまり問題になりません。
Eビザに対する誤解
- このように、現法と申請者がEビザ申請の条件を満たし、なおかつ複数名の申請者がいるのであれば、Eビザがベストな選択肢となります。ところがマネージャー以上はEビザ、その他はLビザという社内ルールを設けていたり、「資本金が1億円以上でなければならない」という噂を信じ、初めからあきらめているケースも見られます。
- ビザの知識の有無により、ビザ申請に必要なコスト・時間・運用の利便性が大きく変わります。Eビザは日本国内で申請が完結するため、中には契約しているアメリカの移民法弁護士のEビザに関する知識が不足し、適切なアドバイスを受けていない企業もあります。Eビザの条件を満たすと思われる場合は、一度セカンド・オピニオンをとられることをお勧めいたします。
