ビザとは
ビザとは何か?なぜ必要なのか?
- 多くの国は、不法労働者となる疑いのある人や自国の安全をおびやかす恐れのある人の入国を防ぐため、事前に在外公館でチェックを行い、入国の許可証を発行します。この許可証がビザ(査証)です。
- ただし、ビザがあれば無条件で入国できるわけではありません。空港などで行われる入国審査では、そのビザが偽造ではないか、ビザで認められた目的以外での入国ではないかを確認し、疑わしい場合はたとえ有効なビザを保有していても入国を拒否されることがあります。
- また、アメリカビザの場合、氏名・パスポート番号などの他に、Annotation(勤務先、留学先、研修先)も明記されています。そのため、例えば他のアメリカ現法への異動になり、Annotationに書かれている勤務先が違っている場合は、そのビザは無効になります。
- アメリカビザのVisa Type/ClassにRは一般旅券(Regular)であることを示します。また、EntriesのMはMultipleの略で、ビザの有効期間内であれば何度もアメリカへの入国が認められるのに対し、S(Single)と書かれている場合は、1度しか入国できません。
ビザなしでの入国
- 2、3日の旅行や商談のためにもビザの申請を行わなければならないのであれば、年末にあれほど芸能人がハワイに行かないでしょうし、日米間の多くのビジネスに支障が出るでしょう。 そのため、日米間にはビザウェーバープログラムという相互的な特例措置があり、特定の条件を満たす場合は、ビザなしでの入国が認められます。
- ビザウェーバープログラムが適用されるのは、アンドラ、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブルネイ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、アイスランド、アイルランド、イタリア、日本、リヒテンシュタイン、ルクセンブルグ、モナコ、オランダ、ニュージーランド、ノルウェイ、ポルトガル、サンマリノ、シンガポール、スロベニア、スペイン、スウェーデン、スイス、英国の国籍の方です。その他の国の方は、日帰りのハワイ旅行であってもビザが必要となります。
- ビザウェーバープログラムを利用して、ビザなしで入国するための条件は、(1)目的が観光、商用、または通過であり、(2)90日以下であること、(3)有効なパスポートであり、かつ機械読み取り式であること、(4)往復、または次の目的地までの航空券・乗車券を所持していること、です。他にもケース・バイ・ケースで条件があります。詳しくは以下のアメリカ大使館のHPをご覧下さい。
(http://tokyo.usembassy.gov/j/visa/tvisaj-waiver.html)
就労目的と商用
- 仕事でアメリカに入国する場合、よく問題になるのが、就労目的か、商用かです。商用であれば上記の通りビザなしでの入国が認められていますが、就労目的であれば滞在期間に関わらず、ビザが必要となります。
- もちろん取引先とのミーティングや、アメリカ現法での会議に出席するといった目的は商用と考えて問題ありません。これが実際に体を動かす作業が含まれると、商用から就労に近づいていきます。例えば日本から機械を輸出し、アメリカの客先で調整作業をした場合、これは商用でしょうか。日本の親会社の会計システムの変更に伴い、アメリカ現法のシステムを変更する場合、インストール作業は商用でしょうか。
- 商用と就労目的の見分け方の一つとして、その業務が日本本社のためであれば商用、現地法人のためであれば就労目的、というものがあります。また、現地社員の業務を奪うことになるかどうかも別な目安になります。現地法人のための業務は巡り巡って親会社のためともいえますが、現地法人の会計ソフトのインストール作業は、スーパーバイザーとしてならば商用と認められても、作業自体は現地社員でもできるはずと、就労目的とみなされる可能性が高くなります。
- 一方、上述の客先での機械の調整作業は、就労目的とみなされる可能性が高いのですが、契約書に調整作業までを含むと明記されている場合は、あくまでも機械の販売の一部であり、商用とみなされる可能性があります。
- 入国審査で入国目的を判断するのは入国審査官です。その判断基準は概念的なものであるため、入国審査官によって判断が分かれるということもありえます。商用か就労目的かの判断に迷うときは、経験が豊富な申請代行業者などへの問い合わせや、就労目的とみなされた場合を想定した準備(ビザの取得、業務内容を書いたレターの携行など)をお勧めいたします。
入国審査
- ビザなしで入国する場合、入国目的を"for business"、"for pleasure"と答えれば、まず問題なく入国できます。ただし渡米回数が特に多かったり、何らかの記録がデータベースに記録されている場合、または態度などに不審な点があった場合、入国審査官は申告した内容に疑いを持ちます。
- 通常の審査で疑いをもたれると、別室でさらに詳しい審査が行われます。英語での説明が難しい場合は、通訳を依頼することも可能です。またこの時、アメリカ在住の知人などに電話で確認を行うということも行われます。
- 入国拒否を受けた場合、有効なビザを保有していれば、一度入国し、移民法判事に判断を仰ぐことも可能です。一方ビザなし渡航の場合は、入国審査官の判断に従い、日本に帰国しなければなりません。
- 正当な理由でアメリカに入国する場合は、特に英語での説明による誤解を避けるため、ビザなしであれば滞在中のスケジュールと滞在先、訪問先のリストなどを、ビザがある場合はビザ申請で提出したサポートレターのコピーなどを携行して入国審査に臨むことをお勧めします。また、事前に入国審査でのQ&Aを考えておいたほうがいいかもしれません。例えば"work"と"business"には大きな違いがあります。「今回は仕事で...」というつもりで"work"を使えば、就労とみなされてしまいます。
ビザなしでの入国のリスク
- 悪意の有無に関わらず、ビザなしで入国拒否を受けた場合、すぐに日本に帰国しなければならないだけではなく、パスポートとデータベースに入国拒否を受けたという記録が残ります。この記録があると、年末のハワイ旅行であってもビザの取得が必要となり、またビザの取得も難しくなります。ただし、一度ビザを取得すれば、その次からはまたビザなしでの入国が可能になります。
- 企業からのアメリカ出張で、短期間だから、ビザが間に合わないから、という理由で、就労目的であるにも関わらず、ビザなしで渡米するケースがあります。よほど頻繁に渡米していないかぎり、確かに商用と申告すれば入国拒否を受ける可能性は低いでしょう。しかしながら、これは明らかに虚偽の申請になり、判明した場合のペナルティは大変大きなものとなります。
- 入国拒否は本人だけではなく、すでに入国審査を済ませた同僚に対しても適用されることがあります。また、アメリカの工場立ち上げのキーマンが入国を拒否され、一度帰国してビザを取得しなければならなかったため、事業計画に大きな影響が出たといったケースも実際あります。安易な判断によるビザのトラブルが、ビジネスリスクにもなりうると認識する必要があります。
