ビジネスカルチャー
- 「反省しないアメリカ人をあつかう方法」
- 「これでアメリカ人と仕事ができる」Working with Americans
- 「これで海外工場でうまく仕事ができる:使える英語&知っておくべきビジネス・カルチャー」Factory English & Business Culture
- 「ビジネスで失敗しない! トラブル回避の英会話 & マナー」
- 「職場における効果的な人間関係を築くために: アメリカ文化とコミュニケーションスタイルについて」
- 「ビジネスに日本流アメリカ流はない:グローバルマネージャー入門」
- 「アメリカ訴訟必勝ガイド」改訂版
- 「アメリカ特許判例解説2005年版」
「反省しないアメリカ人をあつかう方法」
- 著者:ロッシェル・カップ
- 出版社:アルク出版
- 価格:¥1,470 (税込)
- amazon.co.jpにカスタマーレビュー有り
ロッシェル・カップさんは、弊社で、毎年オレゴン州のポートランドまでお招きして、日米異文化セミナーを講演していただいているシカゴ在住の著名な国際経営コンサルタントで、1994年よりジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング社を経営されている事業家でもあります。ロングセラーを記録しているこの本は、いわば文化的観察力の大変豊かなアメリカ人女性が、自身の深い洞察力を駆使して、日本の会社組織とカルチャーが時にアメリカ人との間で何らかの齟齬を生み、それはどうしてそういうことになってしまったのだろうかという深層部分にまで掘り下げて書かれているエッセイ風の一冊に仕上げられています。驚くことに、ロッシェルさんは、すべてご自身の日本語力によって、この本を書き上げましたので、もともとあった英語版を翻訳したわけではないということをまず、お断わりしておきたいと存じます。
内容的には、非常に読みやすく、流れるような日本語で書かれているのですが、読んでいくうちに日米会社組織についての問題の本質を突いた辛口の批評も日本人管理職に時には向けられているのが感じられるかと思います。しかしそのような辛口批評があっても、ロッシェルさんの場合には、まったくと言ってよいほどその批評の中には棘(とげ)はありません。どうして棘がないのかといいますと、やはり彼女の底流に流れているトーンは、あくまでも日本人社員に対する励ましの暖かい応援歌ではないかとこの本を読み終えて思う人はきっと多いはずだと納得させれらるのではないでしょうか。
世の中や皆様の身のまわりを見回してみても、日本企業がアメリカに進出して、事業を営み、そこから利益を出して、良き企業市民として地域社会などに貢献している日系企業というものは、残念ながらまだまだ少ないのが実情です。その原因の多くが、ロッシェルさんがこの本の中で指摘していることに起因するものであるとしたら、つまり、日本人とアメリカ人との間にある文化的な違いによるものであるならば、問題解決の手段については、逆にもっと明確で的が絞られたものになるのではないだろうかとも感じました。
ロッシェルさんがこの本の最後の方で提唱されている「ハイブリッド文化」ということが重要なキーワードであり、日米文化の摩擦解消に対するひとつの解ではないかと思います。これは日本式、こちらはアメリカ式といつも頭で考えて、選別をしているようであれば、それは、無意識のうちに日米の間で存在する文化的な対立要素を助長させてしまうことにつながりかねないわけです。日本式とアメリカ式の枠を一度払いのけてみて、両文化の良いところをブレンドしたその会社独自の企業文化を築き上げる、それが、ロッシェルさんの言うところの「ハイブリッド文化」と呼べるものであるということを認識できるだけでもこの本を読む価値は十分にあると考えます。
日本人には時に辛口批評で指摘と書きましたが、彼女のモノをみる眼は実はとても公明正大であり、アメリカ人の方にも厳しい眼が時には注がれています。それらの根拠としているベースが、彼女の歴史的観察でもあります。エール大学では歴史学を専攻されたというから、歴史的背景にまでさかのぼったアプローチの仕方には、定評があり、読者を説得する力があります。
ある日本の大手食品会社にいらっしゃるアメリカ担当役員の方は、この本を読んで、本社国際事業部の社員全員に社内のトレーニング用として配布したそうです。とにかく、アメリカ人とビジネスや仕事をする機会のあるすべての日本人に大げさではなく、ぜひとも一読してほしい本でありますので、皆様方に広くご推薦させていただきます。
「これでアメリカ人と仕事ができる」Working with Americans
- 著者:ロッシェル・カップ、ローラ・クリスカ
- 出版社:PHP研究所
- 価格:¥3,885(税込)
- amazon.co.jpにカスタマーレビュー有り
ジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング社長のロッシェル・カップさんとシニア・アソシエートでいらっしゃるNY代表のローラ・クリスカさんとの共著による日本人ビジネスパーソンのために書き下ろした最新の実践的ビジネス英語学習書です。
本書の特徴として挙げられるのは、「ビジネス英語」と「アメリカ人の持つビジネスカルチャー」の両方をあわせて理解しながら最新の英語が学べるという点にあります。どんなに単語を知っていて文法的に正しい英語をしゃべれたにしても、もしアメリカ人の持つ文化的背景を理解していなければ、「仏作って魂入れず」に終わってしまい、文化的な溝を埋めることのできない経験だけが残ってしまうことでしょう。
その辺のところをいやというほど知り尽くしている2人の著者であるからこそ、様々な具体例を紹介しながら、日本人とアメリカ人とが誤解に陥りやすいところをいつもながらにていねいな解説を施してくれます。一例として取り上げられているのは、日本人がアメリカ人へ何かを依頼するというときに犯しやすいコミュニケーションについてです。日本人は、自身の英語の問題もあってか、依頼する場合の説明や理由付けが十分でないことが多いというのです。もし、依頼事の理由付けがはっきりしていなければ、アメリカ人は、あまり協力的になってくれないというのです。それは、子供の頃から、何かを依頼されたときには、その説明や理由を聞き、行動に移す前に十分理解をして確認するように家庭や学校で躾られているからなのです。皆さんの中にも、何かの提案や行動をアメリカ人に促したときに、”Why?” あるいは ”How come?”としつこく聞かれた経験がおありになるのではないでしょうか。逆に、たどたどしい英語であっても、きちんと行動の意図を説明し、その必要性を理解してもらえさせすれば、アメリカ人は極めて協力的になってやってくれるというわけです。
「知らないと困る現地事情」のページでは、このような事例を数多く解説しています。この部分だけを読んでみてもこの本を購入する価値は十分にあると思います。本書は、ニューヨークにあるアメリカPHP研究所からの企画で生まれたもので、日本語で書かれているのにアメリカでしか販売されていません。本書に収録されている基本英語フレーズ用としてCD2枚が付いています。
「これで海外工場でうまく仕事ができる:
使える英語&知っておくべきビジネス・カルチャー」Factory English & Business Culture
- 著者:ロッシェル・カップ、ティム・サリバン
- 出版社:アメリカPHP研究所
- 価格:$37.00
ジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング社長のロッシェル・カップさんと同社アソシエーツであるティム・サリバンさんとの共著による製造業やエンジニアリングに携わるすべての日本人ビジネスパーソンのために書き下ろした最新の実践的工場ビジネス英語学習書です。
この本の設定が、まず主人公である山本友和氏(通称トモ)が買収したアメリカ中西部にある問題点の山積した自動車部品メーカーでの現地最高責任者兼工場長としてはじめて出向し、そのアメリカ企業の経営の立て直しを行うというストーリ展開で始まります。とにかく製造業の企業であれば、必ずや直面しなければならない5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)や生産チームのカイゼン、不良品の問題、生産ラインの稼働率などに関するアメリカ人とのホンネのディスカッションが英語と日本語の併記で書かれています。トモが最後に工場の建て直しをはかり、また次の赴任地である中国に旅立っていくというところまでお読みいただければ、目頭が熱くなることも請け合いです。
恐らく、このような「工場英語」をここまでのレベルと実際的な内容で取り上げた本は今までになかったのではないかと思います。この本は、また日本の本社や工場にいて、海外の工場と常に製造上でのコミュニケーションを行っている方々にもまさにうってつけの英語学習書です。どの製造業にも共通して使われる専門用語や便利な表現方法がふんだんに取り入れられているので、すぐにそれらの表現や用語をお使いになっていただけるものと思います。最後の60ページあまりは、「工場英語」の表現集ということで、まさに製造業の現場で即効性のある英語表現集の総ざらいをいてくれていますので、繰り返しの学習にもってこいだと思います。ここまで書かれた「工場英語」、本年NO.1のお奨め英語学習書として、広くお読みいただけますことをご推薦申し上げます。
「ビジネスで失敗しない!トラブル回避の英会話&マナー」
- 著者:ロッシェル・カップ、スワブ・暁子
- 出版社:研究社
- 価格:¥2,100(税込)
翻訳トークの書評でとりあげている常連であるロッシェル・カップさんの最新書がまたまた出版されましたので、ご紹介したいと存じます。
今回の「ビジネスで失敗しない! トラブル回避の英会話 & マナー」は、日本人が外国人との間でビジネスを展開していく中で、様々な状況下において発生するビジネス上のトラブルを想定し、その改善策ならびにその場で使える英会話表現を随所にちりばめた構成となっています。 これらは、実際にロッシェルさんがご自分の日系企業のクライアントを通じて、コンサルティングをしながらご経験されてきた事例をベースにしたケーススタディ方式を取っておりますので、一読してみますと、その説得力のあることに思わず納得してしまいます。
本の構成は、10章の異なるそれぞれのテーマから成り立っていますが、どの章も具体的なケーススタディから始まっています。 これらのケーススタディの事例は、海外企業とのやりとりが頻繁にある日本企業や日系企業の方々には容易に想像のつく「十分にありえるケース/トラブル」の類ばかりで、恐らくこのケーススタディによく似たご経験をされたことのある方がきっと大多数なのではないかと思うぐらいですから、ケーススタディだけを読んでみても、とても親近感を覚えるはずです。
この本を読んでわかることは、日本人誰しも皆、同じような失敗を経験しながら、それでも海外企業となんとか、かんとか、ビジネスをやってこられたということです。 しかしながら、その様な失敗を何度も繰り返すよりは、一度授業料を支払ったら、もう二度と同じ授業料を納めるようなことは決してしないに越したことはありませんし、事前に落とし穴のある場所がわかっていれば、それに対して対策を打ち、効果的な回避策やそれに関しての英語表現を用いた英会話を臆することなく発言することが出来れば、このスピード感を重視する国際ビジネスの世界にあって、どれだけ時間とお金の節約と活用につながることかと考えますと、決して軽視することはできないものだと痛感いたしました。
ロッシェルさんはいつもながらに皆様方の国際ビジネスを成功に導くための数多くのヒントや改善策をこの書籍の中で提唱されております。 実戦の中ですぐに使える英語表現とあわせて、これら貴重なロッシェルさんからのアドバイスとノウハウとを皆様方の毎日のお仕事に即刻お役立ていただけますことをロッシェルさんに代わりまして、この書籍のご紹介とさせていただきたいと存じます。
「職場における効果的な人間関係を築くために:
アメリカ文化とコミュニケーションスタイルについて」
- 著者:ロッシェル・カップ
- 出版社:パシフィック・ドリームス・インク
- 価格:$45.00
弊社では、1999年より、ジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング社長で著名な国際経営コンサルタントのロッシェル・カップさんをシカゴからお招きをして、日系企業で働かれている日本人駐在員ならびにアメリカ人の現地社員を対象にした異文化経営セミナーを毎年開催しています。今月ご紹介する本は、そのロッシェルさんが実際にポートランドに来て行った日本人社員向け1日セミナーの内容を丸ごと収録・編集して構成したものです。弊社とロッシェルさんとの間で、一人でも多くの日本人社員の方々に向けてアメリカ人とともにいかにして日米の文化的な違いを乗り越えて効果的に協働していくことができるかをお伝えしたいという理念と熱意のもとにこの本の企画が生まれました。
ロッシェルさんは、これまでに日系企業専門ビジネスコンサルタントのエキスパートとして、日本人社員とアメリカ人社員との間の異文化コミュニケーション問題や日系企業特有の人事問題の対応に数多くの経験を積まれています。そのため、この本の中にも過去に実際に起こった事例をケーススタディという形で一般化できるレベルまで昇華させながら、問題の所在を明確にすることに成功しています。このケーススタディを読むだけでもこの本の価値は十分にあるのではないかと思います。(恐らく、アメリカの現地法人で働いた経験のある日本人の方であれば、皆さん大なり小なり同じような経験が思い当たるはずです。)
またロッシェルさんご自身の日本にいらした頃の体験談も日米文化の比較ということで、ときに大変ユーモラスにエピソードとして織り交ぜられていて、一気に読み込んでしまうほどのご本人の魅力も兼ね備えているのは、まさにロッシェルさんならではのセミナーだからではないでしょうか。セミナー参加者からの質問もそのまま記載をしてありまして、読者の皆様も実際にロッシェルさんのセミナーを聴講しているような気持ちにさせてくれます。それら参加者からの質問に対しましても、ロッシェルさんは実にていねいな受け答えをしてくれておりまして、そのようなところでもロッシェルさんの人柄がにじみ出ているような気がします。
最後に、いつものことなのですが、アメリカで働く、あるいはアメリカ人とコミュニケーションしなければならない日本人には、よくあるビジネス上の場面で、自分の立場や状況を英語で表現するためにとても役に立つ英語表現も随所にちりばめられていまして、とても参考になります。これらの表現は、アメリカ人の本来持っている感覚にピッタリとはまった感じの表現となっていますので、実際にアメリカ人に対して使ってみるとかなりの効果が得られることをお約束します。それら表現にもロッシェルさんのセンスの良さが感じ取れますので、読者の皆様にも安心してお使いいただきたいと思います。
内容的には、全編、ロッシェルさんの日本語による (翻訳したり、通訳者を使っているわけではありません!)セミナー上での話し言葉によって書かれておりますので、一気に読み進んで、「ああ、なるほど、そうだったのか」と言った読後感いっぱいに読者の皆様が包まれることを保証させていただきます。ロッシェルさんの書かれている本はすでに数多く出版されておりますが、これだけ自然にそのままロッシェルさんの個性やセンスが出ていて、なおかつ日米間の異文化コミュニケーション用として実践的に役立つ本はほかにないのではないかと自負しています。ぜひとも、1冊お持ちになっていただきたい本としてご推薦させていただきます。
「ビジネスに日本流アメリカ流はない:グローバルマネージャー入門」
- 著者:中村 健一
- 出版社:東洋経済新報社
著者の中村健一氏はコマツアメリカ(KAC)の前社長で、滞米生活が通算で25年に及ぶという日本人ビジネスマンの中でもアメリカで早くからご商売をなさってきた日米ビジネス界屈指の草分け的存在であると呼ぶことが出来ます。そのような大先輩がお書きになった本書をひも解きますと、建機という私がいた半導体の世界とはまた随分趣きの異なる業界の中で、それでも多くの共通項をほとんど毎ページごとに見出すことが出来、思わずフンフンと相槌を打ちっぱなしの読書体験でした
恐らく日本の子会社にいて、アメリカ企業とのジョイント・ベンチャーも含め、25年前の当時アメリカ中西部支店(シカゴ近郊)の一介のリージョナル・マネージャー(日本語に置き換えればさしずめ営業所長あたりか)から最期は現地法人のトップにまで登り詰めて、アメリカで定年を迎えるという日本人ビジネスマンは、アメリカ広といえども本当に数えるだけだと思いますので、中村さんのアメリカで歩まれてきた体験談は、万人には経験できない非常に貴重なものであるかと言えます。その体験に貫かれたバックボーンはといえば、一般的にアメリカ人の持つ寛大さや公平さ、平等意識、正義感、合理性、行動力、(他人に対しての)感謝の念などに対してとてもポジティブな姿勢を終始持たれていたということで、逆に計画性がないとか、言い訳や責任転嫁がうまいとか、過去を顧みない、何事にもアバウトであるといったネガティブな面を補って余りあるという指摘には、私も深く共鳴した次第であります。
中村氏は、さまざまな例え(Analogy)や図式を用いてまわりにいるアメリカ人を説得し、彼らにモチベーションを呼び起こさせるのがとても上手(まさにグローバル・マネージャーたる面目躍如といった感あり)なようで、社内の会議などでお使いになったという富士山のチャートやサラダボウルの絵も本書の中で登場していて、読者を「ビジネスに日本流もアメリカ流もない。プロセスやコースは異なっていても、目指すゴールは同じ」だと説得力のある論理を展開してくれています。
ビジネスで使われることの多い英語の慣用句や言い回しが本書内でときおり顔を出してくるのがまた楽しく、勉強にもなり、しかもご本人自ら作られた和製英語や日本語をカタカナ英語にして、社内でアメリカ人も含めた中での共通語に昇格したりと、なかなかユニークな工夫を凝らした具体的方策が随所に出てきていて、アメリカでの企業経営におけるヒントになります。建機業界の機械用語もうまくたとえの中に使われていて、さすがは建機トップのコマツさんならではと思わせるのもなかなかのものです。巻末には、中村氏がノートに書きとめられてきたアメリカ人のよく使う慣用表現120が掲載されてあり、これはこれでビジネス英会話のよいおさらいになります。アメリカ人も口語的慣用表現は大好きで頻繁に使いますので、特にビジネス後のディナーやパーティでもアメリカ人との雑談に日本人も臆せず加わるようになるという意味でも、貴重な表現集であるかと思います。
アメリカで働くすべての日本人マネージャーに必読の書ではないかと思いました。わかっているようなことも繰り返してくどいぐらいに書かれてあるところもあるのですが、そのくらい書かれていないと身に沁みてこないものです。著者が自身のビジネス上の自慢話として滞米経験を書かれたというものではなく、25年にわたっての氏の深い洞察力とアメリカ人を真摯に見据えた眼識から得られるとても読後感のよい、好感の持てる体験談となっておりますので、爽やかです。また、全米における代理店管理のポイントや戦術などの貴重なノウハウも惜しみなく披露してくれていますので、営業職やマーケティング担当者の方にも一読の価値があります。そして当然のことなのですが、日米ビジネス異文化コミュニケーションに関心のある方でしたら、どなたにでもお薦めしたい良書でもあります。
「アメリカ訴訟必勝ガイド」改訂版
- 出版社:ILS Publications, Inc.
- 価格:9,975円
「アメリカ訴訟必勝ガイド」の改訂版がILS Publications, Inc. より発行されております。本改訂版は、オリジナル版が出てからちょうど5年ぶりの改訂となります。
当初オリジナル版が出版されましたときは、日本企業がアメリカで訴訟に巻き込まれるケースが多く散見され始めたときであり、日本企業は、アメリカ企業にとって格好の訴訟対象になっていた時期でもありました。
さて、現在はどうなのでありましょうか。日本企業が訴訟に巻き込まれる件数としては、5年前のときとさほど変わりばえがしてはいないように思えます。当時と現在との間で異なる点として挙げられますのは、特許をはじめとする知的財産関係の訴訟が急増しているということです。
訴訟技術を学び、知的武装をして会社が持っている知財を守り抜くことは、日本企業にとってもきわめて重要な企業戦略の一つになってきたといっても過言ではないと思います。
この改訂版を通じて、複雑なアメリカの訴訟制度を徹底的にご理解され、会社の法務体制強化の一助につなげていただくことができましたら誠に幸甚です。
本書の内容
アメリカにおける訴訟の危険性と日本企業が抱える問題点
アメリカの訴訟制度の特異性:外国人には理解しにくい制度のいろいろ
企業法務における訴訟予防法学とはどうあるべきなのか:実務経験に基づく企業法務のありかた
アメリカ裁判における証拠開示(ディスカバリー)の一般的ルール
アメリカ訴訟におけるデポジション対策:負けないための実践的ガイドライン
アメリカにおける訴訟管理対策:弁護士をうまく使い、コストを削減し、訴訟社会に生き残る
陪審裁判の心理学:陪審員が何を考えているかを知ることが勝訴の条件
フォーラム・ショッピング(裁判所の物色)の実際の影響:どこで裁判を行うのが自分にとって最も有利なのか
アメリカにおける日本企業同士の裁判の戦い方:アメリカでの訴訟の有利な点と問題点
アメリカ特許訴訟必勝戦略:特許侵害訴訟の勝敗は裁判の準備段階で決まる
適切な紛争解決手段(ADR)の利点:実例に見るADRの効果的な使い方
アメリカにおける司法管轄域外仲裁の裁定の承認と実行:外国における仲裁裁定を国内で実行する際の手続きと問題点
「アメリカ特許判例解説2005年版」
- 著者:クリストファー・チャルセン(ニューヨーク州弁護士;知的財産訴訟専門)
- 訳者:大塚 康徳(大塚国際特許事務所パートナー)
- 出版社:ILS Publications, Inc.
- 価格:5,250円
アメリカでは、1982年に知的財産権を専門とする連邦巡回控訴裁判所(CAFC:Court of Appeals for the Federal Circuit)が設立されて以来、CAFCの下す判決は法的解釈、法務手続きにおける分野で大変重要な方針を示し続けてまいりました。
本書では、最近CACFが下した判決の中でも特に重要と思われる、アメリカの特許侵害ならびに商標権訴訟に関しましての判例72件を各カテゴリーごとに分類をして、それぞれに解説を加えました。
特許侵害につきましては、特許侵害の成立性、均等論、特許権の解釈、特許の有効性、権利行使の可能性、訴訟手続き上の問題までを網羅し、掲載してあります判例は、特許訴訟すべての分野に関しましての判例が含められております。
また、CACFはアメリカ特許商標局からの控訴裁判も取り扱っているため、その判決は、特許ならびに商標を審査する場合におきましても大変有益な情報が包含されております。
本書で取り扱いましたそれぞれの判例は、今後とも引用されることがあると思われるケースとしての重要性に基づき、ニューヨーク市にあるミルバンク・ツイード・ハドリー&マックロイ法律事務所の知的財産部によって、選別され、東京にある大塚国際特許事務所によって注意深く翻訳がなされたものです。(翻訳の監修責任は、大塚 康徳、大塚国際特許事務所パートナー)
本書の内容
<裁判手続きにおける諸問題>
特許ライセンス契約に絡む特許問題に関する州裁判所と連邦裁判所の管轄権
訴訟提起の際の特許弁護士調査・検討義務とその責任に関する判例
「審査を遅延させた怠慢」を抗弁理由として認めた判例
他
<クレーム解釈>
クレームの用語を明細書の記載から限定解釈した判例
出願時点を基準にクレーム用語が解釈されなければならないことを示した判例
特許性に無関係の補正で審査経過禁反言を生じる可能性を示す判例
他
<特許の有効性>
特許権者に対する重要な資料の開示義務に関する判例
法定期間内に出願されなかった特許を無効とした判例
訴訟手続中の不正行為と特許出願中の不正行為とが特許権に及ぼす効果に関する判例
他
<特許権の消尽>
他社による使い捨てカメラ再生品の輸入は違法か合法かに関する判例
侵害期間中の代替製品の有無と損害額の関係に関する判例
ジェネリック薬製造におけるハッチ・ワックスマン修正条項に関する判例
他
<権利の限界>
新薬メーカーと特許切れ薬品メーカーの権利の微妙なバランスを指摘した判例
非排他的実施者は有償取得者の抗弁が出来ないとした判例
ライセンス契約書における用語の明確な定義が必要であるとした判例
他
<損害賠償費用>
開示義務違反が招いた損害賠償責任に関する判例
原告が二重の損害賠償金を受け取ることを認めなかった判例
特許表示の欠落が損害賠償請求権の喪失を招くことを警鐘した判例
他
